起床時に部屋を明るくして就寝時に暗くするのは、単なる生活習慣ではなく、睡眠・覚醒のリズムが光環境に影響されているからです。特に、眠りのホルモンであるメラトニンは光が苦手で、日没にならないと生成、分泌されませんし、夜間でもある程度の照明にさらされると抑制されます。つまり、夜を過ごす場所が明るすぎると、眠気が消え去って目が冴えてしまうのです。夜は必要以上に明るい部屋で過ごすのを控えましょう。
メラトニンの分泌は、200lxの室内照明の光でも抑制されるなどといいます。一般に、200lxはリビングなどの室内照明相当にあたり、勉強部屋ではもう少し明るめの300~500lxといったところでしょうか。天井からの照明が全体を明るく照らすような部屋にいては、リラックスできても、メラトニンは分泌されにくいということになります。そこで、就寝までを過ごす部屋の照明を工夫してみてください。
リビングや寝室の夜用照明として、明るさをコントロールできる照明器具もよいのですが、スタンドライトやフットライトなどを利用した間接照明にするのはどうでしょう。光を壁や天井などに当てて周囲をやわらかく照らす反射光は目に優しく、また、周囲に陰影ができるので心地よい癒し空間を演出します。さらに、電球をオレンジ色の暖色系にすれば、メラトニンの分泌もよくなります。安眠につながり、部屋もオシャレになるなんて、一石二鳥ですね!なお、部屋の明かりを工夫しても、寝る前までテレビやパソコン、スマホの画面を見ていると、目は強い光やブルーライトにさらされるので、気をつけましょう。