飲酒が睡眠に与える影響はさまざまです。酔った状態で倒れるようにベッドへ入り眠りについた、という経験のある方も少なくないでしょう。アルコールにはリラックス作用や鎮静作用があり、入眠を促す効果は認められます。が、アルコールが分解されるにつれて交感神経が高まり、眠りが分断されて睡眠が浅くなってしまいます。また、アルコールには利尿作用もあるので尿意によって途中で目が覚めたり、のどの筋肉が緩むのでいびきがうるさくなったりして熟睡できなくなるので、飲酒は睡眠の質を低下させると認識しましょう。

だからといって、睡眠の質を上げるために禁酒をする人はいませんよね(笑)。お酒にも長所や利点はいろいろあるので、賢く飲めば「百薬の長」になるはずです。それには、お酒の量と飲む時間に注意することが大切です。個人差があるものの、お酒の適量は、ビールなら中瓶1本(500ml)、日本酒は1合(180ml)、ウイスキーはダブル1杯(60ml)、ワインはグラス2杯弱(200ml)程度。心地よい酔いに日中の緊張もほぐれ、リラックスして眠りにつくことができます。また、アルコールが分解されるには2時間程度を要しますので、だらだらと飲み続けるのは控えてほしいものです。

さらにもう1点、要注意は「寝酒」です。眠れないときにお酒を飲む人は少なくありません。アルコール度数の高いお酒をグッと飲めば入眠効果は期待できるでしょう。しかし、最近も著名人の酒気帯び運転事故を機に話題になったりしているように、アルコールは依存性や耐性が高いので習慣になりやすく、お酒なしでは眠れなくなったり、量が増えたりします。アルコールは、気分転換やリラックス効果があり、周囲の人とのコミュニケーションツールにもなりますが、睡眠薬代わりに活用することはやめてくださいね!